『はなちゃんのみそ汁』
- 作者: 安武信吾・千恵・はな
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/03/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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たまたま見つけて読んだ一冊です。
思いがけず三人目を妊娠して、不安になり悶々とした日々を過ごしている時に大切な事に気づかせてくれた一冊です。
主人公の千恵さんは20代で乳癌が発覚し、左胸を摘出、その後結婚し、妊娠出産を経て癌が再発。一度は癌が消えるが再度転移が発覚した際には手遅れで帰らぬ人となる。
33歳の若さで。
命がけで産んだ娘のはなちゃん。娘のために『みそ汁を作ること』を残した。『食が体を作り、食が命を作る』事を癌になって学んだから。
中学生になったはなちゃんは、5歳の時にお母さんに教えて貰ったみそ汁を毎日作っているそうです。
お父さんのお弁当を作ったり、夜ご飯を作ったり、しっかりとお母さんの意志を継いで、すごいなぁと感心させられました。
そして、この本で印象的な言葉がいくつかありました。
はなちゃんが通う保育園の園長先生の言葉
『子供は苦労してでも自分の手で大切に育てるのが一番。楽して育てると間違う事がある。便利さが諸刃の剣になる。』
助産師の内田先生の言葉
『生きることを大切にすることは食べることを大切にすること。子供はどんなつらいことがあっても、自分の居場所さえあれば、子供は乗り越えていく。それを育むのが家庭の食卓である。
1日三回、一年では千回以上。食卓はすごい力をもっている。』
手をかけて作る料理がどれだけ大切か。しかも決して豪華な食卓ではなく、玄米ご飯とみそ汁が基本の和食。
この本を読んで私が一番感じたこと。それは、
『お母さんというのは家族の命を守る大切な仕事』
であるということです。
手作り味噌と昆布、鰹節で丁寧に出汁をとって作ったみそ汁に玄米のおにぎり。手作りのぬか漬け。
昔から日本人のお母さん達が作ってきた当たり前の食事が、今の時代贅沢なものになっているなと感じました。
正直、私も真似が出来ない。どうやって作って良いかもわからないからとりあえず玄米を購入し、ネットで炊き方を検索してみる…。
ついでに玄米に、すごく栄養がある事も知った。
みそ汁の出汁のとりかたも変えてみた。
今までは煮干しでとっていたものを、昆布と鰹節でレシピ通りにしてみると、とっても美味しいみそ汁が出来た。
玄米も、白米と1対2の割合で炊いてみると美味しかったし、給水に時間はかかるけども手間をかけると心がこもって気持ちも温かくなる。
妊娠がわかった時に、一番最初に
『やっと仕事ができると思ったのに、また出来なくなる…』
と凹んでしまった私。自由もなくなる。また家に引きこもりの生活か…。やっと下の子が年少に上がったのに、自分のすべてを赤ちゃんに捧げる日々がまたやってくるのか…。不安。しんどい。自由が欲しい。
恥ずかしながら、ネガティブな気持ちしか湧いてきませんでした。
でもね、社会に出てお金を稼いで世の中の人の役にたつこともすごいけども、この本のお陰で家庭を守るお母さんも立派な仕事だと思えるようになりました。
家族の健康のために手をかけて和食を作ろう。
自然のものを使ったお母さんの味を子供達に残してあげよう。
いつか社会にでる金の卵達を三人も授かれた事、子育て出来る事に感謝をしよう。
3人の母親であることを誇りに思おう。
読み終えると、ポジティブな気持ちと、よし頑張ろうというやる気が沸いてきました。
これからまた、育児で家にいることが多くなる分、料理をもうちょっと頑張ろうと思います。
実家も遠方で助けも無い中での出産、育児がどうなるかは未知ですが…。いつか、3人の子供達に囲まれて幸せと言える日が来ることを信じて、母はもっと強くなります。
- 出版社/メーカー: 大潟村あきたこまち生産者協会
- メディア: 食品&飲料
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ちなみに玄米は、無農薬のものを選ぶと良いそうです。